変化する湖を捉えた住宅デザイン:「Virtual Scenery」

デザイナーClement Tung Jeun Chengが描く、湖の風景を映す住まい

西湾湖の夕暮れ、湖面に揺れる夕日が創り出す幻想的な風景。そんな風景を内部に取り込み、変化する湖を表現した住宅デザイン「Virtual Scenery」をご紹介します。

デザイナーであるClement Tung Jeun Cheng氏は、湖の風景を住宅の中に取り込むことで、住まい全体が湖の風景を映し出す空間となるよう設計しました。全体の内装に木材を使用することで、暖かみのある生活空間を創出。さらに、模様入りの木製フローリングは、変化する西湾湖を表現しています。

色の深さを変えることで空間の機能を区分し、空間のスケール感を高めています。上階と下階をつなぐ中間空間となる階段は、黒い金属棒とシャンパン色の手すりが印象的。規則的な色の配分が二つのエリアを視覚的につなげ、空間の拡張感を生み出しています。

内部と外部が一致し、深みのある表情を持つように、材料と色を調和させています。室内空間は外部の環境と対応し、住まいの中から湖の風景を楽しむことができます。

このプロジェクトは485平方メートルの広さを持ち、2021年2月にマカオで完成しました。デザインの主なアイデアは、常に変化する湖です。さまざまな密度と角度で、水と波の色が視覚化され、西湾湖の幻想的なイメージを表現しています。外観と内部は同じテーマで設計されていますが、表現方法は異なります。

材料の選択は低彩度で、視覚的なプレッシャーを和らげ、湖の静けさを空間にもたらします。これにより、ユーザーの生活のペースをゆっくりとしたものにします。このデザインは、その実用性と革新性により、2022年のA'アーキテクチャ、ビルディング&ストラクチャデザイン賞で鉄賞を受賞しました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Clement Tung Jeun Cheng
画像クレジット: Image #1-5: Photographer Billy, Virtual Scenery, 2021.
プロジェクトチームのメンバー: Director: Clement Tung Jeun Cheng
プロジェクト名: Virtual Scenery
プロジェクトのクライアント: CINCHstudio Spacial Design


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